他人との差異を認め、受け入れるということ。

韓国へ2泊3日の旅行へ行ってきました。

韓国は、10数年前に釜山へ行って以来。
今回は初めてのソウル、鎮安郡でした。
仁川国際空港から鎮安郡まで、高速道路での約4時間の移動。車窓からは韓国の風景が続きます。
日本との大きな違いは、山深い、という景色がない、ということ。
比較的平らな土地が広がっています。
高速道路がとても発達しており、自動車社会であることが窺い知れますが、日本のようにトンネルを掘ったり橋をかけたりという工事の必要があまりないのも、一つの要因なのでしょう。
しかし、ガソリンはリッターあたり200円を超えるのだとか。それでも皆さん車を利用するのですね。
車も、高級車が多い印象でした。
反面、排気ガスもすごいです。鎮安郡は地方都市ですが、そんなところでも排ガスがすごいし、早朝から高速道路はバスやトラックが頻繁に行き来していました。

逆に、高速を降りて街中に入ると、信号がなく、交差点はロータリーになっていました。横断歩道のところには、わざと段差が設けてあり、スピードを必ず落とすようになっていました。
これは、どちらかといえば余計なお世話が多い日本の行政よりも、むしろドライバー自身が気をつけるようになるのでは?という印象をもちました。
かなり飛ばす高速道路と違って、街中は車はゆっくりと走っています。

食事の作法もだいぶ違います。
日本では食器を持って食べるようにしつけられますが、韓国では逆に持って食べることは無作法となります。
昔の高級官吏は持って食べなかった、ということで出世したければ同じ様に食器を持たずにスプーンですくって食べなさい、ということだそうです。
これは慣れるのには少々時間が必要です(^^ゞ 2、3日では無理だな〜
食器は磁器と金属の組み合わせ。箸が金属なのもなかなか日本人には馴染みがないでしょう。
食事自体は、鎮安郡では有機野菜と紅参(高級高麗人参)の産地ということで、野菜中心のメニューでした。
食材自体は日本とほとんど同じ。大根や白菜のキムチ、奈良漬に似た漬物も。なんと、たらの芽の甘酢漬けも!これは珍しい。美味しかったです。
サラダの野菜も新鮮でとても美味しかったです。
ソウルでは肉料理をいただきました。骨付きカルビや、プルコギ。どちらも美味しかったですが、キムチが辛いからなのか、ちょっと甘めの味付けでした。
今回魚料理が食べられなかったのが、ちょっと残念。
しかし、一度もお腹を壊すことなく、お腹一杯食べたのにすこぶる胃腸の調子はいい様です。

鎮安郡の名所、馬耳山(まいさん)にも行ってきました。
パワースポットとして有名なところらしく、確かに「何かが違う」感じがしました。
紅葉もとても綺麗で、たくさんの人が山歩きの格好で歩かれていました。
なんと、冬には「逆氷柱」という現象が起きるそうで、上に向かって氷が伸びて行くのだそう。いまだに原因は分かっていないそうです。見てみたい!

鎮安郡のホテルはオンドル床でした。
幸い、とても暖かく天候に恵まれたので、逆に、寝る時にちょっと暑いくらいでした。
ちょっと意外だったのは、布団がとても薄かったこと。
硬い床だったので腰が痛くなりましたが、よく考えてみると、オンドルの恩恵に預かるには薄い布団でないとダメですね。冬はとても寒くなるみたいなので、そういう時には気持ちいいのでしょう。
ソウルのホテルもでしたが、バスタブはなくシャワーだけでした。
そのかわり、いわゆる「韓国式垢すり」に男女関係なく2週間に一度くらいは行くそうです。

民族性としては、皆さんとても真面目、という印象でした。
街中も綺麗ですし、目上の人を立てる、というのは徹底されている感じでした。例えば、宴会の席に着くのにも、上の人が座らない以上立ったままでいる、とか。とても道徳や礼儀を重んじている印象です。

往復は宮崎からのアシアナ航空直行便でしたが、機内での音楽に、キング・クリムゾンの「Island」があったのにはびっくり。センスがいい!と個人的な趣味で言っておきます(笑)

こういった異文化に触れることは、日頃の自分が属している文化との違いを知るいい機会です。
自分が慣れ親しんだ環境が、自分にとって気持ちいいのは言うまでもありません。その良さも再認識するでしょうが、逆に、見習うべき点も多々あるはずです。
逆の立場になって考えてみれば、向こうの人たちがこちらに来た時に、同じ様に感じるではありませんか?ああ、やっぱり自分が住んでいるところが一番気持ちいい、と。
自分に一番気持ちいいは、必ずしも他人の一番ではない、ということです。当たり前ですが。
そのことに思い当たらないことを、自己中というのです。
自分の狭い世界の中に閉じこもり、海外へ旅行しても自分の慣れ親しんだ環境の良さばかりを言い、不満ばかりが口に出る。

それは海外旅行に限らず、国内への旅でも同様のことをしていませんか?

旅をする、ということをただの気分転換で終わらせることは、とてももったいないことです。
違いを否定も肯定もせず、ただ受け入れること。
そのことによって、自分の世界が広がっていくのです。それこそ、本当のグローバリゼーションではないでしょうか。
お金が世界を駆け巡るのではなく、私たちの精神が世界を駆け巡る。
そのことの方が、これからの地球にはずっといいと思うのです(^_-)

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