今回の討論は重要なことを述べましたので、ここに記録として残します。
議案第4号 特別職の職員で常勤のものの給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例
賛成
本町の3役の給与は8年間据え置かれたままであり、県内でも最低水準である。今回の引き上げは妥当なものと考える。
議案第5号 議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
反対
議員報酬の引き上げは、成り手不足の解消策の一つとして、全国的な流れとなっており、基本的に報酬は引き上げるべきと考えている。しかし報酬引き上げには、議会としての取り組みと説明責任が先行すべきであり、今回はその順序が逆である。今回の改正は議長・副議長・委員長職のみであって、議員報酬全体の底上げになっておらず、成り手不足の解消に寄与するとは思えない。成り手不足を解消するためには、議会の情報公開、公聴会の開催、議員の仕事についての丁寧な説明など、まず取り組むべきことがあるはずだ。議会内で協議を重ね、何をすべきかの共通認識を醸成し、実行に移した先に、根拠をもって審議会に諮り、報酬引き上げの議論へとつなげるべきと考える。町民と審議会に対して、議会として十分な議論の材料を提示すべきである。
議案第6号 公の施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
賛成
「綾町子育て支援センター」の一時預かり利用料金が、今回の改正で実質値上げとなる。低所得家庭にとっては負担の大きなものとなることが心配されるが、「こども誰でも通園制度」によって民間での受け入れが緩和され、同時に低所得者向けの減免措置もあり、子育て支援センターは従来の受け入れだけでなく、幅広い乳幼児、妊婦に対しての相談窓口としての機能を充実させていく予定だと聞いている。町民にとって真に使いやすい制度設計を望む。
議案第17号 令和8年度綾町一般会計予算
賛成
私は、本定例会に提出された令和8年度一般会計予算案に賛成の立場で討論いたします。ただし、予算に含まれるオンデマンド交通関連事業計画について、バイオガスプラント事業について、RSウイルスワクチン定期接種化に関する事業について、それぞれ看過できない重大な懸念を申し述べ、町に対応を強く求めるものです。
オンデマンド交通とタクシー事業との関係
私はオンデマンド交通計画自体に反対するものではありません。オンデマンド交通の推進と並行して進められている高齢者等タクシー利用料金助成事業の大幅な減額について、全町民の移動保障の観点から、強く懸念を表明しなければなりません。
第一に、タクシー事業が果たす役割の軽視についてです。
オンデマンド交通は、対象が70歳以上に限定され、平日の特定時間帯のみの運行です。 一方、タクシー事業は、全世代を対象に、午前7時から翌午前1時まで、土日祝日も含め、住民の多様な移動ニーズに対応してきた、地域公共交通の根幹です。
けがや病気などで一時的に車を運転できない現役世代や障がいのある方も、タクシーを必要とします。オンデマンド交通では対応できない深夜・早朝の緊急移動も、タクシーがあるからこそ成立しています。さらに、本町を訪れる観光客にとっても、タクシーは宿泊施設や観光スポットへのアクセスを支える重要な移動手段です。タクシーが町内で機能しなくなれば、観光振興の面でも無視できない影響が生じます。 この事実を、町は十分に認識すべきです。
第二に、事業者との対話が欠如していることについてです。
今議会の私の一般質問への答弁において、町長は、オンデマンド交通の検証実験開始にあたり、宮交タクシーへの事前相談も事後報告も行っていないという事実を認めました。
地域交通の担い手である事業者に対し、影響を与える施策を一方的に進めることは、信頼関係の毀損であるだけでなく、将来の交通空白リスクを高める行為でもあります。高原町においては、同じ宮交タクシーと行政が連携してオンデマンド交通を運行している先例があります。連携のあり方を検討せず、協議の場さえ設けていないことは、民業圧迫であるとともに、施策の設計として不十分と言わざるを得ません。
第三に、撤退リスクへの備えが示されていないことについてです。
宮交タクシーの取締役自身が、撤退を「視野にある」と述べていることは、軽視できない現実です。
にもかかわらず、今議会の答弁で町長は、「タクシー事業者の経営状況を把握する必要はない」と明言しました。これは、将来の交通空白リスクを能動的に管理する姿勢とは言えません。代替手段の検討も、緊急時の対応計画も、現時点で示されていません。
以上の三点を踏まえ、本予算の執行にあたっては、以下を強く求めます。
- 宮交タクシーとの協議の場を早急に設けること
- タクシー事業の経営動向を定期的に把握・モニタリングする仕組みを構築すること
- オンデマンド交通が対応できない時間帯・対象者の移動ニーズへの代替策を検討すること
繰り返しますが、オンデマンド交通の推進に反対するものではありません。しかし、それが既存の地域公共交通を結果的に崩壊させる施策であってはなりません。全町民の移動の権利を守ることは、行政の基本的な責務です。
バイオガスプラント事業について
次に、バイオガスプラント事業についてです。
この事業は「ユネスコエコパーク」としての本町の未来を占う、重要な事業と考えます。しかしながら、町長も申されているように、40年、50年と続く事業ならば尚更、初期の基本設計を誤ってはなりません。
かつて綾町が循環型農業を目指して、生ごみや家畜し尿を堆肥として畑に還元する事業を全国に先駆けて始めた功績は大きい、と私は考えています。今後、資源をできるだけ輸入に頼らない施策の必然性は、今般の中東情勢を鑑みても明らかです。しかしながら、志は高かったものの、計画の不十分さは否めないものでした。当時の世論や技術水準からすれば一概に批判はできないものですが、今後、再び本町がオピニオンリーダーとしてこの事業を推進しようとするならば、多角的な視野、分析を持ってあたるべきだと考えます。
現状では、計画の話だけが一人歩きし、議会のみならず住民にも十分な説明が為されていません。委員会での農林振興課長の説明により以下の点が確認できました。基本設計業務2200万円と決して小さくない予算ですが、実質コンサルティング事業であること、内容はほぼ人件費であり国が定めた単価であること、決して建設ありきではないこと、課長としては町民を巻き込んでの事業にしたいという強い思いがあること、住民説明会も8年度は複数回行なっていく予定であること。以上を踏まえて、今回の予算については賛成とします。
RSVワクチンの定期接種について
次に、RSウイルスワクチン定期接種化に関する事業について、看過できない重大な懸念を申し述べ、町に対応を強く求めるものです。
ひとつ目。 FDA添付文書とPMDA添付文書の記載差
今定例会の質疑において、私はFDAおよびPMDAの公式添付文書を議会に提示しました。
FDAは、同一ワクチン「アブリスボ」について、接種対象を妊娠32週から36週に限定し、早産リスクの不均衡(アブリスボ群5.7%、プラセボ群4.7%)およびギラン・バレー症候群のリスク増加を添付文書に明記しています。
一方、日本のPMDA添付文書は接種対象を妊娠28週から36週と大幅に広げながら、これらの警告記載がありません。
なぜ日本だけが承認範囲を広げ、FDAが警告として記載したリスク情報を削除したのか。この問いに対し、町は明確な答えを持ち合わせていません。この事実は、今この場に議事録として残ります。
二つ目。 市販後調査の検出力不足
厚生科学審議会の資料によれば、市販直後調査における医療機関からの副反応報告はゼロ件です。しかしこれは、安全が確認されたことを意味しません。
調査対象は推定25,680例にすぎず、稀な有害事象を統計的に検出するには不十分な規模です。製造販売業者から報告された重篤事例13件のうち5件が早産・胎児死亡に関するものであり、「懸念が検出されなかった」ことと「安全が確認された」こととは、科学的にまったく別の命題です。さらに、米国ACIP(米国CDCの予防接種諮問委員会)は同一ワクチンについて、妊娠高血圧症候群リスクの増加を統計的に有意と認定しています。日本の審議会は「懸念なし」と結論づけていますが、これは検出力の不足によるものです。
令和8年4月の定期接種開始というスケジュールが先にあり、安全性の検証がそれに追いついていない構造に、私は強い懸念を覚えます。
この懸念を裏付ける先行事例があります。イギリスのGSK社は、同じRSウイルスを対象とした妊婦向けワクチンの国際第三相試験において、ワクチン接種群でプラセボ群の約1.4倍の早産率が観察されたことを受け、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、2022年に試験を自発的に中止しました。早産が生じたメカニズムは事後解析をもってしても特定できなかったと報告されています。同一の懸念が、アブリスボについても指摘されています。GSKは中止し、ファイザーは承認された。その違いは何か。少なくとも、「早産リスクは科学的に否定された」とは言えない状況です。
率直に申し上げます。FDAが「データ不足のため早産リスクを排除できない」として慎重姿勢をとった、まさにその状態のまま、日本では対象週数を広げ、リスク警告を削除し、公費で接種を推進しようとしています。
この構造は、「リスクを知らせないまま日本の妊婦をデータ収集の場として使う」という疑念を持たれても、反論が難しいものです。私はその意図があると断定するものではありません。しかし、そう疑われない体制を作ることが行政の責任であり、現状はその責任を果たしていない――このことを、強く指摘しておきます。
三つ目。 町長答弁「立場にない」について
質疑において町長は、住民への情報提供について「町はその立場にない」と答弁されました。
FDA・PMDAという日米の公式添付文書を議会に提示、つまり私は議場に持参し当日その場でお示ししました。その場で、あるいはその後でも確認する意思が執行部にあれば、それに応じる用意はありました。しかし何らその意思をお示しになりませんでした。
日米の公文書に示された情報格差を承知しながら、あるいは知ろうともしなかったことは、住民への中立的な情報提供を行わないと公式に宣言したことを意味します。この事実もまた、議事録に刻まれます。
四つ目。 コロナワクチンの教訓、同じ轍を踏んではなりません
令和8年2月、上野厚生労働大臣は記者会見において、新型コロナワクチンの副反応疑い報告が約67,000例にのぼり、健康被害救済制度における死亡認定が1,059名に達したことを公式に認めました。
この教訓は何を示しているか。安全性の懸念が後から明らかになったとき、すでに接種した人々の被害は取り返せない、ということです。
当時も「懸念は示されなかった」とされていました。当町において、同じ構造の意思決定を繰り返してはなりません。
五つ目。 町にできること、町がすべきこと
定期接種は強制接種ではありません。接種しないことへのペナルティはなく、住民には接種しない選択の自由があります。国の政策に従うことと、住民の自律的判断を守ることは、矛盾しません。
定期接種は国の制度ですが、住民に直接対応するのは自治体です。副反応被害が起きたとき、「知らなかった」では住民への説明責任を果たせません。知っておくことが、議員・執行部としての最低限の責務です。
「専門家が決めたから安全」という言葉はコロナワクチンでも繰り返され、被害が拡大しました。審議会の「懸念なし」は安全の証明ではありません。
国が配布する患者向けチラシには、RSウイルスの重症化リスクは丁寧に記されています。一方、FDAが添付文書に明記した早産リスクやギラン・バレー症候群への言及は一切ありません。「接種しない選択もある」という文言もありません。健康被害救済制度についての案内こそありますが、被害が起きてからの補償制度があることと、被害を未然に防ぐための情報提供は、まったく別の話です。
医療従事者向けのチラシについても、重大な問題があります。同チラシは全体試験(PMDA審査報告書に明記された7,358例)における早産データについて『統計学的有意差を認めませんでした』と、統計的な限界を正直に明記しています。ところが日本人参加者462例のサブグループについては、『ワクチン群の方が早産の発生率が低い結果でした(ワクチン群3.0% vs 対照群5.6%)』と数字だけを示し、統計学的有意差についての言及が一切ありません。462人という集団では、ワクチン群で約7件、対照群で約13件という一桁の事象数の比較にすぎず、この差が統計学的に意味を持つかどうかは示されていない。にもかかわらず数字だけを示せば、読んだ医師は『日本人ではむしろワクチンの方が安全』と受け取るでしょう。
しかし考えてみてください。全体7,358人のデータでも有意差の「有無」を判定するにとどまったのに、その約16分の1にあたる462人という小さな集団で、より踏み込んだ「関連なし」の断言ができるはずがありません。人数が少ないほど、差があっても統計的に検出できない――これは統計の基本です。
全体データには統計的限界を正直に付記し、日本人データには数字だけを示す――同じ物差しを使っていません。有利に見える数字には統計的注釈を省き、不利な数字には注釈をつける。現場の医師がこのチラシを読めば「日本人には問題ない」と解釈するでしょう。それが意図せざる結果であるとしても、これもまた誤解を生む構造になっていることは否定できません。
さらに申し上げます。民法上、胎児は出生によって初めて法的権利の主体となります。ワクチンによって早産・胎児死亡が生じた場合、胎児自身は損害賠償請求の主体になれず、法的救済の空白が生じやすい構造にあります。命を守る責任を誰も負わないまま接種が進む――だからこそ、行政が事前の情報提供において最大限の責任を果たさなければならないのです。
これが住民の手元に届く情報のすべてであるとすれば、それはインフォームドコンセントとは呼べません。
母子手帳の交付時、あるいは医療機関での予診票の手渡し時――住民と行政・医療機関が直接向き合うその場面に、何を添えるか。それは町と医療現場の裁量です。今議会で問わなければ、後からでは遅いのです。令和8年4月から全国で年間数十万人規模の接種が始まります。問題が明らかになってからでは、被害を受けた妊婦と胎児には取り返しがつきません。議事録に残すことが、将来の責任の所在を明確にします。「アメリカが警告しているリスクを、日本の妊婦も医療従事者も知らされていない」という事実だけは、改めて強調しておきます。
このワクチンを接種する妊婦の多くは、私たちの町に住む方々です。その方々が「知らされないまま接種した」という状況を、議会が黙認したという記録だけは残したくありません。
私は町に対し、以下の4点を強く求めます。
第一に、母子手帳交付時および医療機関での予診票手渡し時に、効果とリスクの両面を記した中立的な説明文書を添付すること。「接種しない選択もあります」という文言を明示すること。
第二に、国が医療従事者に配布しているチラシには統計的注釈の記載に不均衡があることを町として認識し、接種を担う医療機関に対して補足的な情報提供を行うこと。
第三に、接種に迷う住民が相談できる窓口を保健師等により設け、副反応が生じた場合の相談先を事前に周知すること。
第四に、接種後の状況を町として把握する仕組みを設け、国の調査を補完する体制を整えること。
インフォームドコンセントは医療倫理の根幹です。住民が十分な情報のもとで自ら判断できる環境を整えること――それは国の政策に反することでも、接種を妨げることでもありません。住民を守る行政の、最低限の責務です。今回、私がお示しした情報は、今の日本のテレビや新聞の情報だけでは決して触れることはないでしょう。多くの医療機関も容易には知り得ない情報です。しかし、全ては公文書の比較という、誰でもその気になれば確認できるものばかりです。執行部と議会がやらなくて、一体誰がやるというのでしょうか。急減する出生数の回復のためにも、この町で生まれる命を守る姿勢を、行政が率先して示すことを強く求めます。
以上を強く求め、討論といたします。