宮崎県綾町。
環境問題を世に問うた世界的ベストセラー「沈黙の春/レイチェル・カーソン1962年」の衝撃の数年後、1966年に秋山眞和氏が綾の手紬染織工房を構える。氏の元に当時の文化人が集うようになり、当時の郷田實町長もそこに加わるようになる。1967年に郷田町長が町内の国有林の伐採計画に反対。1960年代半ばにして「照葉樹林は日本の文化の原点」の考えのもと、伐採の危機にあった日本最大級の照葉樹林の山を保護。その後国定公園に認定される。
町を上げての「有機農業の町」「手作り工芸のムラ」づくりによって、全国の町興し運動の先駆となる。現在では、「綾の森」を世界遺産に登録しようという運動も盛ん。 2012年7月11日、これまでの活動が評価され国連ユネスコ「エコパーク」に指定される。実に、綾町の取り組みはユネスコ・エコパーク(MAB計画)発足(1971年)に先じんていた。
この小さな町から、新しい世界が始まる。
かつて「夜逃げの町」と揶揄された地方の町が、今再び100年に一度と言われる大恐慌の波に飲み込まれようとしています。
しかし私たちはたとえそれぞれは小さな力であっても、互いに手を携えあってこの難関を乗り越えようとしています。
そのためには既存の町興し運動だけでは、不十分です。
戦後、高度経済成長期を経験して来た日本の歩みは、東洋の奇跡とまで言われましたが、果たしてそれは私たちを真に幸せに導いて来たのでしょうか?
今一度、検証する必要があるのではないでしょうか。
現在進行形で町では、いろんな方々がいろんな取り組みをされています。その様々な町の情報発信基地となり、多くの方に綾を注目していただく。
同時に、新しいコミュニティのあり方も提案していく。
具体的には、食料とエネルギーの自給を目指し、これまでの人との繋がりを消して行くベクトルの通貨とは一線を引き、地域通貨によって経済基盤を再構築し、「結いのこころ」を取り戻す。
その相乗効果によって、綾町がさらなる発展をしていければ、と考えています。
綾町内の若者を中心に、新しい社会基盤の構築を目指して幅広い意見を求めつつ、積極的に発言していきたい。 なお、現在九州森林管理局・宮崎県・綾町・(財)日本自然保護協会・てるはの森の会の5者で進められている「綾の照葉樹林プロジェクト(綾プロジェクト)」とは全く別の取り組みです。