賢い送電網 「燃やさぬ社会」に挑め

中日新聞社説

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009071702000042.html

 

石炭など「燃やす電源」は大量にCO2を吐き出す。CO2とは無縁の太陽光発電を増やすには、天候に左右されない新たな送電網を築き上げねばならない。総力で「燃やさぬ社会」に挑みたい。

電力業界がスマートグリッド、「賢い送電網」と呼ばれる次世代送電網の整備を始める。電線は全国に張り巡らされているのに、なぜ新たな送電網に取り組むのか。

電力は二酸化炭素(CO2)の排出量が最も多い業界で、大幅削減を迫られている。政府は対策の一環としてCO2を排出しない太陽光発電を二〇二〇年に今の二十倍、二千八百万キロワットに増やす目標を掲げた。三〇年には五千三百万キロワットを見込んでいる。

ところが、発電容量が一千万キロワットを超えると電圧の上昇や周波数に乱れが生じ、電気の品質が損なわれてしまう。大量受け入れには賢い送電網が欠かせないという。

通信回線を組み込み、家庭などに情報技術を駆使した制御機器を置いて発電量などを瞬時に把握する。太陽光発電には晴れ、雨などによって発電量が急 変する弱みがあるので、発電不足のときは既存の発電所からのバックアップ電源を増やしたり、余ったときは蓄電池にため込むよう指令する。それが賢い送電網 の主たる機能だ。

主要国首脳会議は五〇年までに先進国の温暖化ガス排出量を「80%またはそれ以上削減」で合意した。「燃やさない社会を約束したに等しい」と専門家が指摘するほどに厳しい目標とされるが、合意したからには燃やさぬ電源と正面から向き合うべきだろう。

米国ではオバマ政権の緑の新政策にゼネラル・エレクトリックなどが呼応、IBMやグーグルなど世界屈指の通信・ソフト会社、ベンチャー企業も加わ り、早々と国家的事業として賢い送電網の世界標準づくりを始めた。猛暑で電力供給が上限を超えそうなときには、各家庭の需要を抑え込むなどの多様な機能も 開発している。

温暖化をむしろビジネス機会ととらえ、知的財産を囲い込もうとする米企業の戦略は野心的だ。

日本は組織だった動きがほとんどみられない。これで「環境立国」と言えるのか。来年初め、経済産業省所管の独立行政法人が米国で賢い送電網の実証実験を始めるが、電力業界の参加予定はない。

温暖化対策は国をあげて取り組むべき課題だ。政府は経済浮揚のためにも、力をたばねる政策誘導に早く乗り出すべきだ。

 

編集長より;まずは広いエリアを大量発電でカバーする発想から、エネルギーも地産地消を目指すべきかと思いますが?

使うところで発電することで、送電のリスク無駄を無くすことができるのではないでしょうか。

結局、工事費用は電気料金に上乗せされるわけですから、いい加減そろそろ消費者としてノーを電力会社に対して言うべき時期に来ていると思います。

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