太陽光パネル低コスト化〜世界初の製造技術開発

2010年3月28日付宮崎日々新聞より

▼ 宮崎大・吉野准教授ら

宮崎大工学部の吉野賢二准教授ら産学グループは、太陽光発電パネルなどに使う透明電極を、液状の亜鉛をスプレー噴射して造する世界初の技術を開発した。 現在の一般的な製造法は、主成分に希少金属のインジウムを使うため、新技術ではコストを大幅に軽減できるという。太陽光発電を生かした地域づくりを進める本県にとっても朗報で、宮崎発の技術として広く注目を集めそだ。

亜鉛使い透明電極

吉野准教授は、化学メーカー・東ソーファインケム(山口県)と、透明電極となる酸化亜鉛薄膜の効率的な形成法を共同研究している。 透明電極は、太陽光発電パネルの発電膚の上部やパソコン画面などに使い、光を通しながら電気を送り出す重要な 機能を担う。 一般的には、真空状態の装置内で基板を100度以上に加熱し、フラズマを使ってインジウムやスズを原料に製造している。
これに対し、新技術は、同社が開発した液状の亜鉛原料を2方向から噴射するシンプルな製造法。実験では、基板温度100度以下の条件で原料の蒸発や化学反応が発生、透過率の高い薄膜を形成することを確認した。 実用化すれば、原料代を数十分の1に削減できる上、装置の省力化により、従来工程も大幅にコストを抑えられるという。

酸化亜鉛薄膜は電極用途のほか、日焼け止めや赤外線反射材、帯電防止材など帽広い活用法が見込まれ、グループは将来性の高さにも着目している。

吉野准教授は「原料だけでも数十分の1に抑えられる。基盤温度は100度以下で、どんな素材にも対応するため、将来的に(紙のように)丸められるテレビの実用化につながる可能性も。(太陽光発電パネルを含め)さまざまな用途を視野に実用化を目指したい」と話している。 吉野准教授ら研究グループは、神奈川県で今月開いた応用物理学関係連合講演会で研究成果を発表した。

編集長より;これは将来期待できる技術ですね。これで太陽光発電を導入したくても出来なかった大半の家庭でも、現実的に導入が促進されることを期待します。

何にせよ、原油に代わってレアメタルが投機の対象になってきているのでその点でも好ましいですね。

宮大がんばれ(^_-)

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