古い記事ですが。
日本経済新聞2007年4月18日朝刊
日本郵政公社は十月の民営化で発足する「郵便局会社」の顧客情報管理システムの開発・構築・運営 を米企業に一括して外部委託する。自社でシステムを所有せずに、米企業が米国内に持つコンピューターセンターをインターネット経由で遠隔利用する。巨額の投資がかかる情報システムでの自前主義を転換、米ネット企業の活用で大幅なコスト削減を目指す。
郵便局会社は郵便窓口を運営し、「ゆうちょ銀行」や「かんぽ生命保険」からの業務委託手数料を収益源とする。効果的な営業活動には顧客の保有資産や家族構成、様々な金融商品の購入実績などの管理が欠かせない。だが、郵政公社にはこうしたシステムがなく、競合が見込まれる大手銀行などに出遅れていた。
このため、顧客情報管理をネット上で代行する米セールスフォース・ドットコム(カリフォルニア州)に委託、システムを賃借する。仲介したNTT データが導入作業を支援し、稼働後の安定的な運営を保証する。
当初は全国約四千二百局が利用する。ほぼ半年で導入を完了し民営化と同時に利用を始める。
利用料は1年半で約二億5千万円。自前なら初期投資に二十五億円程度かかるほか、運営費も1年半ごとで五億円程度必要という。構築の期間も1年半程度かかっていた。