綾町堆肥生産処理施設視察レポート

2011年8月9日 NPO市民ソーラー宮崎

上記日程にて、市民ソーラー宮崎定例会として宮崎県綾町における循環型生産システムの視察を実施しました。

綾町では1988年より、町全体で全国に先駆けて取り組んでいる有機野菜作りに用いられる有機肥料を、堆肥センターによる独自生産を行っています。現在の施設は1995年より着工された施設です。

綾町は人口約7500人、世帯数3000弱の町です。1次産業就業率は25%であり、農家戸数660戸(内有機農業登録農家430戸)、耕地面積528haに対して有機農業登録農地は303haにのぼります

堆肥センターでは家庭生ゴミと牛糞を混合させエコテック式コンポスト2台によって嫌気発酵させ、臭気は別に集配し微生物処理しています。
町では、以前はオープン式の施設であったため、周辺住民からの苦情があったそうですがそれも現在は解消されているとしています。
堆肥センターとは別に液肥工場もあり、家庭からでるし尿を処理した液肥を希望農家に無料で散布しています。
堆肥センターは年間運営費は約770万、販売額は約10万。液肥工場は95年(H7)の事業費約2億9千万(内半分は国庫、半分が町負担)運営費約1200万、配布は無料となっています。

先進的かつ有効な取り組みですが、問題点がないわけではありません。

原料の実質投入量は1日あたり生ゴミ0.4t、牛糞1.0t、戻し堆肥0.3tとなっており、綾町の有機農業が畜産と一蓮托生であることが分かります。
一方で、綾町においても畜産の飼料はほとんどが輸入穀物です。つまり輸入穀物がなければ有機野菜も出来ない構造といえます。
果たして真の意味で循環型と言えるのか、今後検討していく課題でしょう。

中部エコテック式立型コンポスト(S-36ET) 2台
2回に分けて発酵が行われ、製品になるまで十日ほどかかる。

集められた家庭生ゴミ。まだまだ多量の水分を含んでいるため、しばらく水出しをする。

 

投入される微生物群。

2段階のリアクター処理を経た堆肥。数日ここで寝かされ、さらに発酵を進ませる。

まだ発酵熱がある。かなり乾燥し、臭いもほとんどない。

最終段階。本当にさらさら。

最終的には人の手によって、プラスチックなどが選別される。

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