先日、宮崎の原発問題に関わる団体の連名で、宮崎県知事選候補者への公開質問状が提出されました。
http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~sizenmirai/tijisen-situmon.html
これに対して、それぞれの候補者からの回答がありました。
http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~sizenmirai/2010-kouhokaito.html
個人的な感想を述べさせて頂くと、河野さんは「国の判断に準ずる」という立場で、反対派に憂慮するような表現をとられていますが、具体的なご自身の原発に関する考えは述べられておらず、曖昧な印象です。
知事の責任は、具体的な論点が始まってから、原発建設予定地の住民、行政の判断を尊重という回答ですが、こと原発に関してはその周辺にだけには収まらない、国土全体の問題であるという認識は薄いと感じられます。
東国原知事の地方分権を推進されるお考えならば、もっと地方からの立場を国に対して明確にして行くはずです。
にもかかわらず、原発問題に関してこの回答は、少々期待はずれの感は否めません。
津島さんは、具体的な事例を引用しての回答で、非常にお詳しい、よく研究されている印象です。
ご自身の立場も明確に表明してあり、よく理解出来ます。
中馬さんの回答は、簡潔で分かりやすいですが、原発は将来的に必要であるというお立場のようです。
エネルギー需要がこれからも伸び続ける、拡大再生産によって社会が発展し続けるというお考えのようであります。
私は、これはこれまでのパラダイムの思考であり、もはやそのベクトルの価値観、社会形態は限界に来ている、と考えていますので、前時代的な発想、と考えます。
私がこれからのリーダーに求めるのは、18世紀から続く、近代文明による自然からの搾取によって物質的な欲望を満たし続ける社会からの脱却です。
それを地方から、地方だからこそ、発信して頂きたいと思います。
なお、この記事はあくまで宮崎県の原発問題に関してのみの、各候補者の意見に対して述べたものであり、今回の宮崎県知事選において、特定の候補者を推薦する意図のあるものでないことを、お断りしておきます。
興梠智一