綾町の農業の現状について
①JA統合について
興梠)農業についてお尋ねする。現在の綾町の農業の現状について、JAが統合されて1年経つ。2年後に最終的な統合が完了するが、農協の資材(これは間違い。正確には管理部)課長さんに進捗状況を伺ってきた。徐々に進んではいるけども検討課題も多いと聞いている。
これまでは町単独の農協JAということで、行政と表裏一体の関係でやってきたとは思うが、その町とJAの関係性が今後どうなるのか、どのように年々協力体制を整えていくのかとか、どのように行政として考えているのか、相手方がいることなので、回答は難しいと思うが、今後どのような関係になるのか不安に思ってる農家さんも多い、改めて町としての姿勢を伺う。
町長)結論から言うと特に関係性が変わるということは考えていない。今までと同じように協力しながらやっていく。JAの統合は昨年4月に旧13JAが統合して、また今年の3月には中央会信連、経済連の3地区連も統合して、全国初の一本化組織になった。統合のメリットについてはスケールメリットを活かした安定供給体制の構築、それから指令を一本化することでコストの削減などが挙げられている。
綾町においては議員のご指摘の通り、検討課題も多々あると町としても認識をしている。中でも、キュウリの販売においては、これまで町内産キュウリとして出荷していたものが一本化され、宮崎産キュウリとして出荷されるという検討が今行われている。スケールメリットを求めて宮崎産キュウリで販売していくのか、綾ブランドの位置を目指して綾町産キュウリを継続していくのかが課題である。
また町内には育苗センターや肉用牛サポートセンターなど、町所有の農業関連施設があって、これをJA綾綾町地区本部に指定管理をしていただいている。これまで同様継続して指定管理をしていただくように、JAに働きかけをしているところだ。ただ現状では明確な方向性はまだ確認はできていない。今後もJA側と情報共有を図りながら、随時協議検討を重ねていきたい。
②牛のセリ値その他について
興梠) 牛の競り値が持ち直してると聞いている。現状と、飼料価格も変動してると思うが、そのバランス、どのように把握しているのかまた町としてどのように対応するのか、伺う。
町長) 宮崎中央家畜市場で子牛のセリ価格については、4月が66万8000円で前年比で10万2000円増。5月が68万2000円で前年比13万4000円の増となっており、持ち直している傾向にあると言える。この要因については明確に断言はできないが、離農者が増えたことによって、出荷頭数が減少しているということがひとつと考えられている。
また、飼料価格については多少の変動はあるが高騰前に比べると約4割高と依然として高水準で推移をしている。セリ価格及び飼料価格について、今後も注視していきたい。
興梠) 現状をしっかり把握していただいて適切な対応をお願いしたい。
農業についてはこれだけを今回通告しているが、橋本議員の質問にもあったが米不足について、私も高い関心を持っている。行政として何かできることがあるのではないかと、いろいろ今調べてるところで、農林振興課、農協などにお話を伺って情報を集めている。シミュレーションを詰めた上で、お示しできたらと考えている。
人口減少対策について
3月の定例議会での町長の所信の中で、人口減少対策があった。具体的にどのようにお考えなのか。
町長) 現在綾町の人口、5月1日現在で6467人、6500人を割っている。毎年約100人ベースで人口が減少。また、今年の10月には国勢調査が予定されており、前回からの推移を含めて、改めて検証して参りたい。人口減少対策については、今年度の所信と施策方針で述べさせていただいたように、とにかく綾町の魅力度向上と情報発信が必要かつ重要であると考えている。この考え方はもう全然変わらない。魅力の向上についてはこれまで進めてきた照葉樹林を基調として自然とともに生きるまちづくりをさらに強く推進していく必要がある。
今年度予定している様々な施策を、推進するとともに、当初予算に計上されていない部分についても随時協議、検討しながら、必要な施策をスピード感を持って進めていきたい。情報発信については就任当初より対応不足を認識しており様々な形で取り組んできたが、現時点ではまだ十分とは言えず、さらに強化すべき課題。ホームページやSNS等の効果を効果的に活用し、引き続き本町の魅力を幅広く、発信する努力を重ねて参りたい。議員の皆様にも、SNS等を含め適切な情報発信にご協力をいただきたい。本日(6日)の宮崎日日新聞に掲載されていた河野知事の談話、何かをすればすぐ効果が出るという問題ではないと。ただ将来世代への責任として、今できることを持続していくことが大事大切だとおっしゃっているが、同感だ。
興梠) 町の魅力向上と、その情報発信を充実させていくというご答弁だが、具体的にどのような世代というか、どのような方々に対して、それを行い、どういう効果を考えられているのか。
町長) すべての世代に対して行っていくべきだと思っている。
子どもについては、今、小学校中学校のホームページのアクセス数が非常に多くなっている。中学校は130万、小学校は間もなく100万に到達する。そのホームページを見て、先日綾町に住みたいとお話があったと聞いている。子育て世代に対してはそういうことが非常に効果的ではないかなと考えている。(行政は何もしないということなのか?)
それから高齢者、リタイア組と言われる方々については、この自然の中で生活をできる、そういうところをきちっとアピールしていければいい。従ってすべての世代に対して行っていくべきだと思っている。
興梠)すべての世代もそれも反対することは特にないが、私が考えるには、3月の一般質問でもお示ししたが、町の出生数が全国、県、国富町、宮崎市に比べて、極端に下がっている、大体10%減ぐらいなのが、綾町だけ56%減だ。移住者促進も結構だが、やはり安心して子供を産んで育てる制度づくりが非常に重要ではないのか。
町長) 子育て世代に対しては当然そういう支援が必要。ただ、いろんなことをやっても産むとか、日本の場合は婚姻が前提になってくるので、そういうところが変わらなければなかなか難しい。そして今の若い人たちの結婚観であったりとか、それから子供を持つ、そういうことについても、やっぱり変わってきているので、非常に難しい問題があるかと思う。現時点では、移住者を増やしていくということがまずやるべきこと。
興梠) そのお考えに一概に反対するものではない。ただ、3月一般質問でも全国の出生数の変化についてのグラフをお示ししたが、その中で令和元年度、急に下がっている。その要因として、消費税の増税が考えられるというふうにお示しした。この次の質問でもあるが、綾町こども計画。ここにアンケート結果が載っているがその中でも、非常に興味深い結果が出ている。
特に、子供を産みたいか、何人欲しいかという項目がある。これから若者のために、町に必要な取り組みは何かという項目も。これを見るとやはり経済的な要因が結婚なり、子供を産むということに対して非常に大きなブレーキになっていることが分かる。これはもうお金を出せばいいというものでもない、とは私も思う。年末の予算要望で私は助産師資格の職員の雇用をお願いした。なぜかというと、やはり子供を安心して産み育てる環境が今ないと思う。産婦人科にしても助産院にしても、減っている。東諸管内にはない。そういうサポートがあることで、例えばそういう若い世代の移住促進にもなるのではないかと私は考えるが、いかがお考えか。
町長) 助産師については雇用、準備するのが難しいという状況がある。これはもうどこの自治体も同じことだと思っているが、それが綾町だけに来ていただけるというような形にはならないと思っているので、産んでから育てるところのいろんな施策はですね、それは効果的にやっていく必要があると思うが、今本当に国もだが、どこも非常に悩んでいる。先ほど紹介した河野知事も、目標に掲げた2026年ってのは難しいかもしれないけども、今やるべきことをやっていくということを考えていらっしゃるわけですから、綾町としても、今できることをやっぱりやっていくということがまず先決だというふうに思っているし、消費税云々の関係というのは私には、理解ができない状況だ。
興梠) 消費税に関しては、消費税が上がるたびに景気が下がってるとデータがはっきりあるので、またご自分でお調べいただきたい。
助産師に関しても、やれない理由を探すよりも、どうやってやれるかと考えなさいと言われたのは町長だ。ぜひ検討していただければと思う。
第3期綾町こども計画について
第3期綾町こども計画についてお尋ねする。この中でいろいろあるが、まず最初にその具体的な内容、特に妊婦乳幼児に関する新規事業があり、これについて具体的にご説明をお願いしたい。
町長) 助産師についてはぜひ興梠議員がご紹介していただければ非常にありがたいのでよろしくお願いする。
1つ目が子育て世帯訪問支援事業ということで訪問支援員が家事、育児等に対して不安や負担を抱える子育て世帯、家庭や妊産婦などがいる家庭を訪問して、かつ家庭が抱える不安、それから悩み傾聴するとともに、育児などの支援を実施することによって、家庭や、養育環境を整えて、虐待リスクなどの高まりを未然に防ぐための事業。
2つ目は妊婦等包括相談支援事業。これまで伴走型の相談支援として実施していたものが、法制度化されたもの。妊婦等の包括相談支援事業として実施するもの。この事業については妊娠時から妊産婦に寄り添い、出産、育児などの見通しを立てるための面談、それから継続的な情報発信、相談などを行うことで、子育て世帯における、産前産後の孤独孤立や育児の負担不安の軽減を図るとともに、必要な支援につなげるもの。
3つ目は産後ケア事業を宿泊型通所型。退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心して子育てができる支援体制の確保を行うもので、本町ではこれまで宿泊型のみを実施していたが、より利用しやすい事業にするため通所型を加えて実施するもの。
令和7年度は、宿泊型が2ヶ所、通所型が2ヶ所の病院や助産院に委託して実施する予定。
興梠) この新規事業、特に期待しておりぜひ進めていただきたい。特に妊婦等包括相談支援事業、子育て世帯訪問支援事業、産後ケア事業、非常に助けになると思っている。
以前も子育て世代包括支援センターの質問したが、国が参考にしたのがフィンランドのネウボラという制度で、そのネウボラが妊娠から就学までを面倒を見るという制度で非常に効果が出ている。
私にも3歳の子供がいるが、出産してから2回ほど町から助産師さん(西都市の嘱託の方)に来ていただいて、母乳などの指導をしていただいた。非常にありがたがったが、ただ正直2回だけじゃ、全然足らなかった。地元に助産師、専門のプロがいて、いつでも相談に乗れるという安心感は非常に大きなアドバンテージになると思う。ぜひご検討いただきたい。
①食育としての母乳育児について
次に、食育としての母乳育児についてどうお考えになるのか、見解を伺いたい。
町長) 妊娠時期、それから授乳時期及び離乳時期については母子の健康にとって極めて重要な時期であるというふうに認識をしている。本町では妊娠届で受け付け時、それから妊娠期、出産後、離乳食開始前などを保健師、助産師、管理栄養士が健康センターでの面接面談や、ご自宅への訪問を実施した上、母親の話を傾聴した上で、一人一人の状況に応じた支援、それから情報提供を行う体制をとっている。
興梠) 食育として母乳育児について、どう考えるのかと伺ったのだが。
町長) 今説明した通り。
興梠) 私の聞き方がまずかったかなと思う。申し訳ない。
これはどういう意味でお聞きしたかというと、私の妻が乳腺炎になった経験がある。乳腺炎になって1ヶ月ぐらい毎日、宮崎市内の助産院に通ったが、なかなか治らずに結局福岡の先生のところまで行って、治していただいた。
うちの子もアトピー、結構ひどいのが出ていたのだが、その福岡の先生の食事指導、母親の食事を変えることで、すべて解決してきたという経験がある。
伊丹十三監督という映画監督がいらっしゃったが、その方の「たんぽぽ」という映画がある。グルメに関する映画でショートストーリーがオムニバス的にあるのだが、そのラストシーンが印象的で、すごく覚えているが、お母さんが赤ちゃんに母乳を公園のベンチであげているシーン。哺乳動物は生まれて初めて口にする食べ物は母乳だ。自然に倣えば、母乳がこそが食育の基本だろうと私は思う。それが私の家庭での経験が、それにまさに当てはまる。綾でもオーガニック給食とか食育に力を入れてるわけだが、今まで母乳が食育の原点である、という考えがあまりなかったのではないか。母乳育児の母親の食事こそを改善することによって、そこから始まっていけば、話が早いのでは。
町長) 必ず母乳という考え方というのは、それは違うと思う。それぞれに合わせたの仕方があるかと思っているので、それをきちんと専門家が、傾聴した上で、相談をしていただければそういう形でアドバイスをしながら、母乳でいくのか、それともミルクでいくのかということを判断をしていくということだから、母乳がありきという考え方というのは、するべきではない。
興梠) 母乳ありきという話をしてるわけではない。哺乳動物はまず母乳が基本だろうという話をしている。事情によっはミルクをあげなくてはならない方もいらっしゃるとは思うが、その母乳が大事というのは、母乳は出さなきゃいけない。それも助産師の先生から教わったが、母乳を出すことによって、乳癌のリスクを減らすことができる。(ここで言い忘れましたが、子どもにとっても、吸う力は大変な労力であり、顎の発達を促すものです。そのことで前頭葉の発達にも影響し、結果的に離乳食の負担も軽減されます。実際、うちの子の場合、ほとんど離乳食は必要ありませんでした)
母乳を出さないから乳がんの発症率が高まってるんだということも研究で分かっている。であるから、その母乳育児をもう一度見直すということが、エコパーク綾としてもふさわしいのではないか。
町長) その関連性が全くわからない。牛の授乳は見たことはあるか。
母乳で育てないところもある。飲まないっていうことで、ミルクで育てるということもある。だから、何でもそうだが、それが正しいということではなくて、いろんなケースがある。だからこそ、もちろん母乳で育てたい、そのためにはこういう形で必要ですよということはあるが、それがすべてだという考え方ではないので、大事な時期に、いろんなアドバイスをしていくということですので、それを母乳が前提になって、母親の食事を変えていく、それもまたおかしな話だと思っているので、相談をしていく中で一緒になって、どういう形がいいのかというのをやっていく必要がある。
エコパークとほとんど関係がない。
興梠) 乳牛の場合のミルクは、牛乳で作られている。人間が飲むミルクも牛乳から作られている。当然母乳と牛乳は成分がかなり違う。
今この場でこの議論を続けても、平行線だろうと思うので次の質問に移りたい。
②過去に綾町での有機農産物を日常的に摂り続けた結果として、健康への影響を長期的な モニター調査をしたことはあるか(非摂取家庭との比較、医療費との関連など)。また今後計画はあるか。
過去に、綾町での有機農産物を日常的にとり続けた結果として、健康への影響を長期的なモニター調査をしたことがあるか。例えば摂取家庭との比較ですとか、医療費との関係などをモニター分析したとか、あるのかまた今後計画があるのか。
町長) まず自治体は学術研究所ではないので、なかなか難しいことだと認識をしている。本町において質問にあるモニター調査調査というのはこれまで実施したことはない。有機農産物を摂取し続けた家庭とそうでない家庭を比較するには、長期にわたる調査が必要である。また健康に与える影響としては、それまでの生活習慣、運動、食事以外の要因というのも考えられる。その方の体質ということもあるかと思う。有機農産物に興味がある方は、健康に関心があって、すでに健康的な生活を送っていることも考えられるために、健康が有機農産物のおかげなのか、それ以外の要因なのかを判断するということは、極めて困難であるというふうに考えている。今後もモニター調査を実施する計画はないが、町民全体の健康で文化的な生活を確保するために、地産地消や、それからオーガニック給食などを今後も推進していきたい。
興梠) これまでもエコパークの取り組みとして大学との連携事業を実施している。そういう形で大学の方にこういうテーマを投げかけるということもできると思うが。
町長) 今のところ考えていない。
興梠) ぜひ検討していただきたい。
教育長の基本姿勢について
①幼児教育についてはどうお考えか
新しく教育長になられて、改めてよろしくお願いいたします。先日、所信はお聞きしたが、その中でもまず幼児教育についてどのようにお考えなのか伺う。
教育長) 幼児教育ですけれども、生涯にわたる人格形成、そして、学びの基礎を培う極めて重要な時期である。この時期に特に遊び、また遊びを通した体験、そして待機ごとした人との関わり等を通じて、意欲であるとか、協調性やり抜く力などの、いわゆる非認知能力というが、それらの育成が非常に重要である。豊かな体験やは遊びを通して、自己肯定感、それから社会性、学びに向かう力の基礎が培われるため、幼児教育の質の確保と充実は将来の学力や人間関係の育成、人間関係にも大きな影響を与える重要な取り組みであると考える。そのため綾町では、今年度から大学と連携しまして、自然体験や遊びを通じて子供たちの好奇心を高め、学びに向かう力を育成する学習プログラムの構築を計画している。
興梠) ヒ認知力等と言われたが、ヒニンチのヒは、どんな字を書くのか。
教育長) ヒは非ずと書く。認知非認知能力ですけれども、その反対が認知能力になる。認知能力というのは、簡単に言うとテストで点数ができるもの、評価できるもの。それが認知能力、簡単に言うと、知識理解であるとか、技能とかそういうものは非認認知能力になる。それに対して非認知能力というのは、社会性であるとか、思いやりであるとか、意欲であるとか、数値化できないものと言って思っていただければいいかと思う。
興梠) ありがとうございます。
②GIGAスクールについての教育長の基本的な考えについて
GIGAスクールについてのお考えをお聞きしたい。前岩切教育長のときにもお尋ねしたが、教育長が変わったところで改めてお伺いしたい。
デジタル機器を用いた事業は、これまでとは違ったメリットがある一方で、便利さゆえに未成熟な子供たちの心身の発達を阻害する懸念もあるかと思う。今言われた非認知能力等にも関連すると思うが、それなりの配慮が必要ではと思うが、教育長の見解をお伺する。
教育長) GIGAスクール構想によるデジタル機器を活用した事業についてだが、児童の心身の発達への影響が懸念されるということで、これについて答弁申し上げる。大きく挙げて4つ。
1点目だが、授業時間や目的を明確化すること、長時間の使用を避け、授業のねらいや学習効果に応じて適切に使用することが大事。
2点目は、アナログとデジタルのバランスを考える、例えば紙教材や対話体験活動などのバランスをとり、発達段階に応じた多様な学びを保障することが大事。
3点目、情報モラル及び健康指導の充実。姿勢であるとか、目の疲れ睡眠への影響の配慮やネットリテラシー依存防止教師教育等を徹底していきたい。
4点目、教職員や保護者との連携。ICT活用の意義やリスクを共有し、家庭、学校が協力して児童生徒の成長を支えることが大事かと思っている。
以上の点については、GIGAタブレットを活用した、個別最適な学びと協働的な学び、それらの一体的な推進を図ることで、令和の日本型教育により、誰1人取り残すことのない、多様な一人一人の可能性を最大限に伸ばす教育及び持続可能な社会の作り手を育てる教育を推進すると同時に、子供たちの健全な発達と学びの質を両立できるよう、活用方法の工夫と改善を図るため教育委員会としても、学校等への支援をして参りたい。
興梠) 私は理学部生物学科出身で、遺伝学専攻だったが、その生物学科の講座の中で動物生理学があった。どういう勉強するのかというと動物の神経、神経の発達とかを講義で受けたが、その中で有名な実験があり、正常な子猫を生後すぐに片目だけ閉じる。それを3ヶ月間その状態で育て、その後目を開くというものがあった。そうすると片方の目はちゃんと見えるが、片方の目は、もうそれ以降見えない。(神経の可塑性)
それはどういうことかというと、生後適切な刺激(経験)を受けないと、神経系は発達しない、未発達のまま終わってしまうという実験がある。これは認知度でもそうだが、デジタル機はものすごい便利なものだ。先ほどデジタルとアナログのバランスとおっしゃったが、まさしくそこを気をつけなきゃいけないなと思う。ヒトは、基本的に動物だ。やはり生まれて一番能力を発揮するような環境が一番多分能力を伸ばせると思う。一言で言えば野性的な、生活をするというのが、多分一番能力を発揮成長できるでのはないかと思う。ただ現代社会ではそれはなかなか難しい。
難しいがその中でも輪をかけて、便利なデジタル機器があるということは、その成長を私たち大人が思っている以上に阻害されるんじゃないかなと個人的には心配してる。
そのGIGAスクールをやめて欲しいと言ってるわけではなく、そういうことを念頭に、頭の片隅でも教育長なり、現場の先生たちがあると、やはり対応が違ってくると思う。その辺りをまたぜひご配慮いただければと思う。
よろしくお願いします。
ユネスコエコパーク綾あるいは照葉樹林都市綾としての基本理念について
最後の質問に移りたい。
ユネスコエコパーク綾、或いは照葉樹林都市としての基本理念について、町長にお尋ねする。
連日のタウンミーティングで町長からエコパークについてのお話もある。活動内容についてが主なものであり、何を目的としてそれを行っているのか、そもそもユネスコエコパークとは何かという説明が今のところない。町長のユネスコエコパークの理念についてのご理解、郷田町政以来の綾町の自然共生スタイルの将来像についてどのようにお考えか、お伺いする。
町長) 興梠議員は数多くのタウンミーティングに、ご出席をいただいている。あれだけの大事な時間を来ていただいて大変感謝をしているが、まだまだ子どもさんが小さいわけですので、ぜひ家庭サービスもしっかりやっていただければというふうに思っている。
まず、タウンミーティングの開催目的だが、町民の皆様と行政が直接対話する、特に私、町長と、いろんな意見を交わす、そういう機会を創出し、綾町の魅力、それから課題を共有し、それぞれが役割を明確にしてともに知恵を出し合いながらまちづくりを推進していくということに、このタウンミーティングの開催目的はあると私は考えている。
その上で何を目的にエコパークの活動内容報告を行っているのかというご質問だが、エコパーク、毎回これは言っているので、お聞きになっているかと思うが、エコパークに関する具体的な取り組みを紹介することで、町民の皆様にエコパークに対する理解を深めてもらって、持続可能な自然と人との共生社会、それから地域づくりへの意識を高めていただきたいというふうに考えて説明をしている。限られた時間の中ですので、エコパークの活動については、そういう重要なテーマの1つなんだっていうことを認識をしていただけることを期待して紹介をさせていただいている。
あとユネスコエコパークとは何なのか説明がなかったというご指摘だが、私のユネスコエコパークの理念、自然共生スタイルの将来像についてという質問だが、タウンミーティング当日も、町政、及び予算方針の説明の中で、私のまちづくりの方針は説明をさせていただいている。これまでもこの議場においても、先人先達が築き守り続けてきた、そういう精神であったり伝統というのを尊重しつつ、時代の変化を見据えたもの、改革、そして新たな挑戦、それを積み重ねる不易流行温故知新の考え方を基本に、自信と誇りを未来につないでいくまちづくり・人づくりに取り組んでいくということを申し上げてきている。
それはまさに郷田町長、そして前田町長がずっと引き継いで、そしてそれをしっかりと町民の方が、それを受け継いで、そして育ててきた、その成果だというふうに思っているので、それをしっかりと、基本的なところは、引き継いでいきたいというふうに思っている。(肝心なところは答えになっていない)ただ方法論については、今の時代に合った方法というのがあるかと思いうので、それについては、いろいろ検討しながら進めていきたいと考えている。
興梠) 私が聞いたのは、エコパークは何を目指しているのかという説明がなかったということだ。その活動を何をしているか。町民の皆さんが、こういう活動してるんだな、なぜ何のためにしてるのかと思うのではないかと思うが、いかが。
町長) 綾町の理念に自然との共生するまちづくりというふうにあるのでまさにそのことがあらわしてるかというふうに思っている。
興梠) 自然と共生するために行っているという理解でよろしいか。
町長) それを基本として考えている。その中でこういう活動をしていますよということを、禅問答みたいなことを町民の方としてもしょうがないというふうに思っているので、こういうことを今やっていますよと、こういうことをずっと続けているんですよと。関心を持ってくださいねということをお伝えするために、タウンミーティングで説明をしている。
興梠) タウンミーティングに禅問答というかその理念というのは結構抽象的な話になるので難しいかとは思うが、ただ、こうやってますよだけではなかなか、だから何?と言われるんじゃないかと老婆心ながら心配している。
ユネスコエコパーク、BR(Biosphere Reserve)、MAB(Man And Biosphere)という計画が、何を目指してそれが立ち上がってきたのか。それが郷田町政以来の綾の自然共生スタイルとかそれを目指してきたものとどう結びついているのか。その辺は少しでも触れないとなかなか、なんでエコパークなの?っていうことになるんじゃないかなと思うが。
町長) 私はそう思っていないので今の説明で、町民の方にお話をしているということだ。先ほども言ったが限られた時間の中でお話をしなければいけない。それでも40分ちょっとオーバーすると50分近くになってしまう。この話だけではなくて、自治公民館制度の話であったり、それから予算の話であったり、そしてまちづくりに対する方針であったり、そういうものをきちんと伝えていくということ。正確な情報を伝えていくということを目的にしているということは、一番最初の挨拶のときにお話をしている。それに基づいて、コミュニティータウンミーティングを実施している。
興梠) そのタウンミーティングの時間の話をお聞きしたいんではなくて、タウンミーティングはそれでも結構だ。町長がその時間を気にされて、そのような話を組み立てられてされてるのは別にいいのだが、それは置いておいて町長はどのようにお考えなのかとお聞きしている。
町長) いまいち言ってる質問の内容がよくわからないのだが、何か概念的なことをおっしゃっているのか、いまいちわからないのでもう少しちゃんと説明をしていただきたい。
興梠) そもそも綾町の郷田町政から自然を守って、自然とともに生きていくというまちづくりをやってきた。それがユネスコエコパークの理念と合致していたから、認定されて今日に至っている。何のためにそれをやったのか、その結果どうして高い評価を受けているのか。
町長はあるタウンミーティングで、夢は将来、国際フォーラムをやりたいんだと。ユネスコエコパークの国際交流もやりたい、やるのが私の夢です、おっしゃられたと思うが、ぜひやっていただきたいと思う。
ただそのためにはそういった理念をちゃんと理解したうえで、そのための町政を図っていかないと、なかなかオピニオンリーダーとまで言わないでも、やっていこうとはならないのではないかと思う。
町長) 綾町はMABの考え方の以前からそういうものに取り組んでいて、MABは後からついてきているということは、これは興梠議員もご承知かと思う。その中でエコパークについて、申請をして欲しいというようなこともあって、申請をした。だからこそタウンミーティングでも話してる通り、今10地区(日本のユネスコエコパーク)あるうちの5番目であるということだ。本当であれば最初にということだが、そんなことはもう昔から、やっていることなのでという考え方があったということですので、それをエコパークユネスコにですね申請をしたという時期がその時期だったというだけのことで、今までずっとやってきたこと、森を守るただ、今、守るだけではだめですよというそういう段階にきている。
もともとの精神を活用しながらですねそれをどうやってこの生活、町民の生活に結びつけていくのかというところが、今のステージだというふうに思っているので、そういうところをまず理解をしていただくために、エコパークっていう言葉は知ってるかもしれないが。こんなことをやっているんですよと。そういうところから学校、大学であったり、企業であったり、そういうところとも連携をしながら、綾町の町民の人たちにとって有益なことに繋がるような活動をしているんですよということを言ってるだけの話だ。
いまいち、質問の趣旨がよくわからない。
興梠) 森を守ったことの意味が、町長と私とで認識が違う。森を守って社会と共生する。それだけを取ってみれば別に何も間違いではないように聞こえるが、環境問題というのは経済問題だ。
町長も、(河野)耕三先生の勉強会に何回も参加していただいた。先生の話の中で、インドネシアの森林破壊の例があった。覚えてらっしゃると思うが、人間の経済活動が環境破壊をしている。それに対して綾町は、いや、違うよねと始まったのが始まりだと私は思っている。
その結果として、その結果というか、もともと手づくり工芸をがあったわけだが、手づくり工芸を行政としてバックアップするというのはそういう、文化の担い手としての工芸があり、大きな工場とかを誘致せずにそれでやってきたわけだ。ひと坪菜園運動も町民の健康を守るという意味があるが、それはただ単に有機野菜でお金もうけしようというのが最初はなかったはずだ。
いや、自然と共生するっていうのは、西洋的に自然を何かこう人が利用してお金に変えるということではなく、人がまず、自然に還ることではかと思うが、いかがか。
町長) 全く言われてることを理解は頭が悪いんでですねしませんけれどもわからない。森を守ったというのはもちろんその事実ですよね。それはもう皆さんご存じなわけですよ。それがユネスコエコパークに直結したというよりも、それを守ったことをでですね、照葉樹林を守ったというのは確かにそれは事実なんですけどそれ以前にいろんな話があるわけなんですよね。その自体それは置いといてもですね、後で町長がそれを守られたということでそれをずっとつなげてきたのは事実ですと。
でもそれを、それがですね、何ていうかな、言っていることがよくわかんない。河野耕三先生がおっしゃるように、確かにそういう一面はあると。でもそれを否定しているわけではないんですが耕三先生はですね、そういうことをですね、やっぱり時代の流れとともに、それを守るだけではだめですよっていうことを今常におっしゃっている。私もそれをずっと議員のときから聞いている。
そういう段階に入っている。
守ることももちろんやっていかなきゃいけないんだけれども、今からは、これをどういうふうにこの町、そして町民の方に還元していくのかというところが大事だというふうに考えているので、もともとの考え方っていうのはそれでいいと思っていますし、これからはそういう新しい、ステージの中でですね、町長として、これを守っていくという考え方だというふうに思っている。
興梠) 森を守っただけでなく次のステージに行かなきゃいけない。私もそう思う。ただちょっと、町長とは認識が違うんだなと思っている。例えば町長がよく言われる温故知新不易流行、いい言葉だなと私も同感だ。
例えば江戸時代っていうのは、完全に循環型社会を作っていた。当時江戸は世界最大の都市だったが、そこで循環できていたわけですよね。もちろん江戸時代に戻れと言ってるわけじゃない。今のは温故知新ですけども、今は技術が発達してますから、江戸時代にそこまで戻らなくても、循環型の社会は可能じゃないかなと私は考えている。
それを不易流行というのではないか。
結局何が言いたいかというと、テクノロジーをすべて便利だから使うんではなくて、その取捨選択をする時代に来てるんじゃないか、ステージに来てるんじゃないかな、その中心にいるのが綾町じゃないかなと私は思うのだが、いかが。
町長) だからどうしたいのかが全くわからないんですけど今おっしゃったのは、テクノロジーってのは当然活用していかなきゃいけない。先ほど教育長の答弁にもありましたけれども、ICTについてもですね便利なものはもちろん使っていく必要があるけれどもその中にはやっぱりリスクもありますよと。いうことはですねそれは認識しながら、この人類というのは進んできているわけなんですけれども、それをあまり過度に進めると、いろんなことが起こってきますよというのは今までの過去の歴史の中で人間がですね、学んできている部分ではあるかなというふうに思っている。
だからそういう考え方でですね、全部否定する話でもないし、それはバランスをとりながら、しっかりと進めていくということでいいんではないかなと私は思っている。
興梠) (町長の答弁に納得したわけでないが)全くおっしゃる通りだと思う。そういった話をタウンミーティングでも少し入れていただければいいのかなと思っている。
以上で私の質問を終わります。