6月5日、てるはの森の会が一般社団法人になった記念会に出席してきました。
時: 6月5日(木)14:00~16:00
会場: 宮崎市民プラザ4Fギャラリー(宮崎市役所となり)
スケジュール: 13:30~ 会場
14:00~ 開会、中島淳 氏 講演
(内閣官房地域活性化伝道師)
14:50~ ソーラーフロンティア(株)事例発表
当法人設立と事業の紹介
閉会
15:30~ 茶話会(16:00終了)
全国各地で「まちづくり」支援を行っている中島淳さんの講演では、「綾からの新たな発信〜恊働で行う町づくりのスタイル」と題されたものでした。
要約すると、企業がいわゆるCSR(corporate social responsibilty、企業の社会的責任)を果たそうとする時に、(環境保護という観点からは)綾町がその対象として如何に適しているか、というものでした。
CSRを企業が行おうとする時、それはお金に限らず、「プロボノ(プロによるボランティア活動)」が今後注目されていくだろう、ということでした。
そして、てるはの森の会が企業と綾町との橋渡しの役割となるだろう、というものでした。
それだけでなく、中島さんが綾町倉輪地区で取り組まれている「埋もれた魅力再発見」、またそれを活かした観光誘致の取り組みのお話がありました。
てるはの森の会の活動は、いまや町民より先んじて綾の森の保護活動を積極的に行っています。それは私が言うまでもなく高い評価に値するものです。
また、理事である石田達也さんは、この記念会のタイトルである「100年先の未来を見つめる 綾の森」の意義を強調され、それを続けるためにはボランティアだけでは到底無理である、やはりそこで働く若者に多くはなくともある程度の収入が必要である、というお話をされていました。
お二人のお話は、至極もっともなことです。
しかし、それは「今の社会制度が今後も続く」という前提の話です。
100年先の未来はどうなっているのか、ということは、今植えた苗がどれだけ大きな木になっているのか、ということだけではないはずです。
綾町は長年森を守って来て町づくりをして来た功績を評価されて、ユネスコエコパークに認定されたわけですが、それは「人間の経済活動に寄って引き起こされた環境問題」に対してどう人類は対処していくのか、ということに他なりません。
詰まるところ、経済の話なのです。
綾は、森を守った次の段階に進む必要があります。
もちろん、今後も森を守っていく活動を継続していく必要はあります。
それと同時に、本当に森を守ろうとするならば、私たちはどんな経済システムを採用するべきなのか、どんなライフスタイルを設計するべきなのかということも考えていかなくては、いずれアリ地獄のようなジレンマに陥ることは間違いありません。
現在の「マネー資本主義」は、今後100年の間に大きく変化していくでしょう。近代資本主義の終わりは既に始まっています。
ですから、そのロジックで動いていては100年後いや10年後も組織を継続していくことは困難である、と私は考えます。
企業は、結局のところ投資家の配当のために存在します。株式会社とは原理的にそういうものです。
中央銀行券(増えるお金)は、生まれた時からの借金です。それを稼ぐ、ということはまさしく森を破壊して来た思考と基本的に何ら変わるところはないのです。
もちろんだからと言って、てるはの森の会の活動を否定しているわけではありません。現在の方針についても、基本的には意義はありません。
しかし、100年先を見つめるためには、経済のこと(お金の本質)、また社会の変化を同時に考えなければ片手落ちである、と申し上げたいのです。
また、「まちづくり」とは「意識づくり」だと思います。
という話を、時間があれば代表理事である河野耕三先生なり、石田さんなりとお話ししたかったのですが、今回は記念会ということで時間が短く、残念でした。
討論会や、意見交換会などの機会があれば、ぜひお話しさせていただきたいと思います。
森を守る活動は「てるはの森の会」、経済に関する活動は「プロジェクト綾」、とお互い補完し合っていければいいかなと思いました。