このサイトを始めたきっかけは、そもそもは2007年暮れからの不況のあおりを受けて、自分の事業がうまく廻らなくなったからでした。
そこからどうすればよいのか?を考えていった結果、まずはこれまで大消費地での営業を中心に考えていたのを、地元に根ざしたものに転換する必要がある、そのためにはもっと綾の魅力を外に向けて発信する必要がある、という結論に至りました。
そんなタイミングで、GazooMuraに誘っていただいたり、商工会や役場関連の事業で新しいツーリズム創設の動きに参加させていただいたりしました。
おかげ様で、綾町には年間100万人近くの方が観光で訪れています。 しかし、商店街や町内に散在する工房は疲弊しきっています。農家もです。
まずはその綾に魅力を感じて来ていただいている人たちに、もっと綾を好きになってもらうこと。 そのためには決まった観光施設だけでなく、他の魅力を知ってもらう。 そのためには、地元の私たちがもっと綾の魅力に気付き、綾をもっと好きになること。
ではどうすればよいのか? 僕が自分の仕事(陶芸)を始めた理由のひとつは、巨大な経済の流れの中で、そこから逃れられることが出来ないとしても、その端っこにいたい、そのためには自分で作ったものを売って生計を立てること、でした。
昨今の世界的恐慌が、現代の経済システムの矛盾をあぶり出しつつありますが、私たちの生活の大部分を、外的要因に支配されています。 具体的には食料、エネルギー、お金、です。
物事をまずはシンプルに考えてみましょう。 食べることに何の不安も無ければ、とりあえず飢え死にすることはありません。 普段の生活や、物流に使われるエネルギーが安定して供給されれば、この不安も無くなります。
何か事業をするとして、そのための借金の金利で首が回らなくなったり、なにより家族のためにお金を稼ごうと、毎日残業を続け結果的に家庭崩壊などということがこの世にあっていいワケはひとつもありません。 食料、エネルギー、お金の問題が解決すれば、綾の人たちが故郷から出て行くことは無くなります。
綾町を中心にしたローカルなエリアで食料を自給すること。
自然エネルギーを中心にし、ライフスタイルの見直しを含めて自己生産体制を作る。 地域通貨を軸とした地域限定の経済システムの構築。
この三つの実現が、真の地方自治を産み出すことになると考えています。
自分が幸せになろうとしたら、周りも同時に幸せにする必要があります。 人間は社会的な生き物ですし、自分一人ですべてをまかなって生活することは、不可能ではないにしろ大変なことは間違いありませんし、誰にでも出来ることではありません。 家族や友人、恋人が幸せではなくて、自分だけ幸せになれはしません。 もっと言えば、地域全体が幸せであれば、日本全体が幸せであれば、地球の全てが幸せであればこれに勝る喜びはありません。
幸せの定義は人それぞれだ、と思われる方もいらっしゃると思いますが、死と孤独の恐怖から解放されること、このことが鍵を握っているのです。 世の中に存在する多くの苦しみは、ここから発生しているのです。
現代の経済の仕組みは、人々の繋がりを希薄にするベクトルで動いています。 まずは、人と人との繋がりを取り戻すこと。いわゆる「結いのこころ」を私たちの手に取り戻すこと。 そのことが肝心なのです。 互いが意識で結びつきあえれば、いろんな社会問題の大半は解決出来るでしょう。