10月27日から29日までの三日間、「ひむか村の宝箱」と「天空カフェジール」で行われたワークショップに参加してきました。
ワークショップの案内をもらったのは23日の木曜日。
普段からいろんなことをディスカッションしているユピィちゃんから、ミキちゃんからのメールが転送されてきました。
ワークショップのメニューに「地域通貨」のキーワードを発見し、すぐさま今回の仕掛け人ミキちゃんに電話。
工芸祭りも近いし、時間もお金にもそんなに余裕がないけど、自分ひとりで勉強していくよりも、蓄積があり実践されている人からお話を聞くのが近道と考え、参加することにしました。
正直、暦の話はそんなに興味がなかったので(^^ゞ、一日目の夜から参加することにしました。
冨田貴史さんをお招きして、
①「暦を活かす~13:20のリズムと13の月の暦~」
②「暦を活かす~陰陽五行と日本の太陽暦、月のリズムと日本の太陰暦~」
③「エネルギーとお金の今までとこれから~旅のレポートと具体的な提案、市民メディアの重要性」
④「エネルギーとお金を見つめる~市民バンクや地域通貨などの実例紹介とディスカッション」
⑤「エネルギーとお金を見つめる~地域や暮らしの理想像を描く~」
⑥「三日間のおさらいと振り返り」
と6回に別けられたワークショップ。
僕は②からの参加となりました。
まずは陰陽の考えからの説明。
世の中の出来事はすべて陰と陽に別けられる。どちらがいいとか悪いとかではなく、バランスを保つようになっている。
グレゴリオ暦(太陽暦)は自然のリズムをそのまま暦にしたものではなく、人間の都合につじつまを合わせて作ってある。
そのために、グレゴリオ暦だけを基準に生活をしていると矛盾が生じてくる。よって、月の運行を基にした太陰暦も頭に入れておく必要がある。
日本で言う「土用」とは、季節の変わり目の準備期間であり、昔の人々は重要な期間と考えていた(種植えをしない、など)。
初日の出に手を合わせるのは、右手は水のエネルギー、左手は火のエネルギー、そしてそれぞれが月と太陽を意味し、元旦には太陽と月が同時に昇ってくるため。
とまあ、などなど。初めて聞く、目からうろこな話を聞かせていただきました。
二日目。
まずはタカさんが深く係っている「上関原発問題」の話から。
ここで伺うまで、まったくこの問題の存在を知りませんでした。
宮崎県でも、串間市での建設計画があり、とりあえず住民の反対運動により延期になっていたり、わが綾町でも鹿児島川内原発に関連する木城町石河内揚水発電所建設による、町内の照葉樹林帯に建設される巨大鉄塔問題で町を二分する論争になったのは記憶に新しいところです。
こういった反原発運動でのいろんな問題点を聞かせていただいた貴重な体験となりました。
地元の方ではなく外の人間がかかわることによって生じる、新たな問題。
行政の立場をかんがみる姿勢。何も行政は企業側に立っているわけではなく、法律上規制できない以上、いいとか悪いとかいえない。
また、企業内部の本当の声。果たして20年以上も前の計画に現実的な意味があるのか。そもそも原子力政策は本当は破綻しているのではないか。しかし、一企業人として会社の中でなかなかそれは言えない。
地元の賛成派の人々は確かに保証金を当てにしているものの、それを本当に否定できるのか。
「陰陽」の考えで問題を見てみると、賛成も反対も、いいとか悪いとかではなく、どういう方向性を目指して協力していけばいいのかということに行き着く。Yes or Noという考えではなく、いわゆるグレーな考えの人たち、関心はあるけど情報がない、よく判らないといった人たちの声も汲み上げる。
そういう考えから反対運動しなければ、平行線をたどったままで何の解決にもならないだろう。確かに、そうです。
また、原発が建設されている、または計画されている土地というのは、古来から海賊が住んでいたとされる地域、つまり被差別地域である、ということでした。
夜は④の議題。僕が一番興味があるテーマです。
平成20年の10月28日、マヤ暦での自己存在の月の11日、この日は僕にとって記憶に残る日となりました。
朝から参加している、日向のアンくん(僕は初対面です)。
彼は当日の朝、ミキちゃんからの熱烈な誘いの電話で車で2時間の距離をやってきました。正直なところ、ワークショップには興味はなく、ミキちゃんがそんなに言うなら、という気持ちで来たそうです。
③を受けて、やっぱり帰ろうかと考えその前にもう一度タカさんの話を聞いてみようと、休憩中に話を聞くことに。夕方の5時くらいだったでしょうか。
その場にたまたま僕もいたので、3人でアンくんの投げかけにいろいろと話し込みました。
実にお昼の1時過ぎからほとんどぶっ続けでディスカッションしていたのですが、そこから原発だけでなく、お金の話から人の欲望の話、悟りや気づきの話、人と人の係わり合いの話などなど。
話は尽きることなく、多岐多様に渡りかなりディープな話になりました。
そのテンションのまま、ワークショップへ。(もちろん、帰りかけていたアンくんもそのまま参加)
NPOバンクの仕組みから事例紹介、地域通貨の現状および失敗例、タカさんが係っている「はりまパワー」の紹介などなど。
地域通貨を持続させるためには、事務局任せの運営ではいけない。
参加者一人一人が、サービスを受ける側ではなくあくまで運営する側であるという意識を持つこと。
そのためには民主的な話し合いを定期的に持つこと。
お金とはそもそもが物やサービスの流通のための道具に過ぎないこと。
そして、それは本来使い手各人の間の信頼に基づいて使われるということ。
「お金」を使うことで、自分自身のスキルアップや、社会での立ち居地の確認もできること。
「何が出来るかリスト」「何が欲しいかリスト」を作ることで会員の中の流通を促し、コミュニティに足りないものも確認。
まさしく僕が漠然と考えていたことが、ワークショップ参加者の言葉として現れ出てきたのです。
タカさんから受けた知識だけでなく、参加者全員が考え議論し一つの目的に向かって集約していく。
ワークショップはとりあえず10時くらいには〆られましたが、その後もジールの福田さん、ミキちゃん、地元報道局に勤めるジュンさんなど数人で2時過ぎまでディスカッションは続きました。
僕は11時半にジールを退出したのですが、残っとけばよかったなあ(^^ゞ
その日の精神状態は不思議なもので、興奮しているわけではなく、しかし高い意識にあったのは間違いなく、透き通ったような、例えるなら鏡のような水面、といった感じでしょうか。
みんなとのトークセッションを通して、貴重な時間を持てたな、という実感をしました。ある意味神秘体験といってもいいでしょう。
最終日はまとめの日。
門川から参加の甲斐さんご夫妻、年金生活でお金が使えなくなるのはではないかと不安を抱える老婦人も参加されました。
この日は、まず自分の中にあるお金に対するイメージを具体的にあげてみる、というワークショップから。
それぞれ、お金に対する思いをあげていき、またそれについてディスカッションするという作業をしました。
いろんな立場があり、いろんな見方があるのですが、年金しか今の収入がなく、金融不安が強いという老婦人の言葉は重かったです。おそらく、戦後直後の混乱を記憶されていることもあると思いますが、若い我々以上の危機感をお持ちなのは伝わりました。
人々の中にある恐怖や不安を軽減すること。
この力が地域通貨にはあると思います。
このワークショップに参加するまで、僕の中では地域通貨は地域活性化と、万が一、円が通用しなくなったときの代替として主に捉えていました。
ワークショップに参加する直前に、地域通貨を使うことでお金のあり方をもう一度考え直すことは、人と人との信頼関係を取り戻す作業でもある事にも気づきました。
そして今回、それ以上の力が「お金」があることに気づきました。
「お金」は決して嫌悪し忌避するものではない。
陰陽で言うように、まさしくお金にはいいも悪いもないわけです。
それをいかに活用するかは、私たち一人一人の心の持ち方にかかっているのです。
夜は綾から「綾若人連絡協議会やまびこ」で普段から一緒に活動している、まえだくんも参加。
彼は農家として、13月の暦に興味がある、とのこと。
この時間は、本当にフリーセッション。タカさんも「何にも決めていない」。
新しいメンバーも加えて、ここでもいろんな話題が、深みを持って議論されました。何が話されたか、よく覚えてないくらい。
それでいいのだと思います。深い記憶の中には、必ず残っているので。それはいずれどこかで役に立つはずです。
この日も帰りは午前様(笑)
次の日。
タカさんはじめ青島の人たちが綾に来られました。
尾立で開墾作業をしている、山口さん、タハラくんを訪ねるためです。
その前に、「ソラニオヒサマ」で昼食を、ということになり、僕は綾が誇る「徳丸豆腐」を使った白和えを持参。
モトくん夫妻(初対面)、ムーチンとまおさんカップル(初対面)、つきちゃん、ユピィ、ひろこちゃん、そしてタカさんと僕とで楽しく会食。
そのあとは、自然とアトリエにあった楽器でセッションが。
笛や太鼓、なんと青島で拾った石笛も!これがすごい音!
あっという間な時間が過ぎ、次の再会を胸に解散しました。
タカさん、数日間に出会ったみんな、楽しい時間をありがとう(^_-)
タカです。
こちらこそありがとうございました。
これが始まり、という感じがします。
これからもよろしくお願いします。
またセッションしましょう♪
感謝 拝
>タカさん
そう。これから始まります。
また、宮崎に新しい風を運んで来てください。
いつでも、お待ちしています(^_-)