現在、世界は急激な変化に直面しています。世界を震撼させたあのテロ事件以来、大国のなりふり構わない侵略行為とそれに追随する先進諸国の構図はも はや理性や正義を通り越し、しかしその先進国の間でも、「新世界秩序」と呼ばれたグローバリゼーションの結果、大銀行が低所得者相手にサラ金まがいの商品 で失敗した余波が、我が国のみならずEUはじめ世界各国の金融を混乱させています。いわゆる「サブプライムローン問題」です。そして、田舎で細々と暮らす 私たちの慎ましい暮らしさえ脅かしています。
そしてついに、2008年9月のリーマンショックを皮切りに歴史的な世界恐慌と突入しました。 2007年後半から始まった景気後退の波が、私たちの田舎での慎ましい生活を直撃しています。
株や為替のいわば実体のない取引に一喜一憂する私たちの不安は、一体どこから来ているのでしょうか?
貨幣経済に対する過剰な幻影を、今こそ乗り越えなければならないのではないか?
「サブプライムローン問題」も、穀物先物取引市場の高騰も、原油高も、(おそらく大半の)私たちの手は直接にはいっさい関与していないことです。グ ローバリゼーションが進む中、世界のどこかで起こった歪みは、瞬く間に世界中に広まってしまうようになりました。いつまで私たちは、物理的にも心理的にも そんな遠いところで起こっていることに脅かされなければならないのでしょうか?
そういった大きな流れから、ある程度距離を置き、真の意味での自立した地域社会というものが、今求められているのではないでしょうか。
〜日本の現状〜
具体的には、自分たちの目が届く範囲で食料とエネルギーを自給出来ること。単純に考えれば、これさえ出来ればいかに世界恐慌が起ころうとも、原油が手に入らなくなっても、関係ないわけです。
社会を運営していくうえで最も重要ファクターに、食料とエネルギーがあることは言うまでもありませんが、現在の日本では、どちらも海外に非常に高い率で依存しています。
2008年に入って、中国からの輸入ギョーザ問題は私たちを震撼させました。そのことは、結果としていかに我が国の台所が海外、特に中国の安い食料に依存しているか、我が国の食料自給率がいかに低いのかをあらためて実感させたのです。
エネルギー問題も、昔にそのまま戻ることは出来なくても、現在の様な高度に原油に依存した体制は根本から見直す必要があるでしょう。この問題は巨大 な利権が絡んだ国際問題でもあります。しかし私たち庶民は、この問題で振り回されることに自分の非力さを省みて諦めてしまうことから、断固としてノーと言 うべき時代に来ているのではないでしょうか。
政府と各電力会社は原子力発電政策を推し進めていますが、果たして私たちは正確で本当に必要な情報を得られているのでしょうか?
原子力発電は未来の私たちに真の意味で寄り添いあえる存在なのでしょうか?
昨今では、代替エネルギーの研究も進んで来ています。また、古来からのエネルギーの見直しも為されるようになって来ました。個人で解決が難しい問題は、お互いの智慧を出し合うことによってなんとかするんだ、という気持ちが大事ではないでしょうか。
これまでと違うのは世論にこれまでと同様の暮らしを続けることは出来ない、という風潮を感じることです。この二つの大きな問題はこれまでも何かのきっかけでたびたびマスコミでも論じられて来ましたが、問題を先送りしてきた感があります。
綾町及び宮崎県は、そう考えるととても恵まれた土地です。まず、食料の自給はきちんとした計画性さえあれば、100%を達成することも難しくはないでしょう。また、エネルギーに関しても、昨今の技術の進歩は目覚ましく、日射量に恵まれた私たちの故郷は太陽光発電をはじめ、家畜糞尿等を利用したメタンガスの生産も、もはや夢物語ではありません。
私は政治家でも研究者でもありませんので、物事を単純にしか考えられません。しかし、そのことによって見えてくることもあるかと思います。単純に考える、ということは何も物事を軽く見る、ということではありません。
〜お金とは〜
しかし、そういった事業を行うために必ず直面する問題があります。お金、です。
普段私たちは、このお金のことを特に意識することなく使っていますが、お金とはそもそも何なのでしょうか。お金と自分との関係を改めて考えてみる、今それが必要とされている気がします。
「どう考えてもおかしいのは資本主義体制下の金融システムではないでしょうか。人間が生きていくことの全て、つまり個人の価値観から世界像まで、経済活動と結びつかないものはありません。問題の根源はお金にあるのです」
「わたしが考えるのは、もう一度、貨幣を実際になされた仕事やものと対応する価値として位置づけるべきだということです。そのた めには現在の貨幣システムの何が問題で、何を変えなくてはならないのかを皆が真剣に考えなければならないでしょう。人類がこの惑星上で今後も生存出来るか どうかを決める決定的な問いだ、と私は思っています。非良心的な行動が褒美を受け、良心的な仕事をすると経済的に破滅するのが今の経済システムです」
1994年2月6日、NHKの取材を受けたドイツの作家故ミヒャエル・エンデの言葉です。
この時のインタビューを基に作られた「エンデの遺言」と題されたNHKの番組は、各方面で大きな反響を呼びました。1999年5月4日の放映から、もうすぐ10年が経とうとしています。エンデの予言したとおりに、世の中は進んでいるといっても過言ではないでしょう。
私は、今こそエンデの言葉に耳を傾け、疲弊しきった地域社会を建て直すべきだ、と考えます。
そして、お金の問題は人と人との信頼関係の問題でもあります。
現代の様々な問題の根底には、この信頼関係が薄れていることがあります。その大きな原因の一つが、お金なのです。
昔の村社会では、「結いのこころ」が存在していました。
この結いのこころによって、たとえ物質的に貧しくても、皆が心豊かに生活出来たのです。
保険や年金がなくても、日本人は滅ばなかったのです。
お金の問題は、実はとてもシンプルなものです。しかしだからこそ、なかなか多くの人がすぐには理解しにくい、という面も合わせ持ちます。
〜お願い〜
このサイトを設けたのは、ぜひ皆様の智慧をお借りしたいと考えているからです。
この綾町も、宮崎市との合併をせずに独自の道を歩んでいくことを選択しました。そのためには、「照葉樹林を守った」という段階からさらに進化する必要があ ると考えます。何のために森を守ったのか、守ったことで何故世間の注目を浴びたのかをさらに深く掘り下げたい。「エコロジー」が「エゴロジー」で終わるこ となく、永続可能な社会システムを構築して行きたいのです。
我々町内の若者からも、積極的に世論に対して投げかけることによって、混迷の現状をなんとか打破したい、と考えています。
綾町は客観的に観て裕福な町とは言い難い。だからこそ、独自の路線を考え実行していかなかればなりません。「照葉樹林都市」がその先鞭でした。
物事をシンプルに考えると、綾町及び周辺地域でエネルギーと食料を自給自足する、これが出来ればいかに金融の世界恐慌が起ころうとも少なくとも安心です。 エネルギーと食料問題は国家的課題であると同時に、わが町の問題でもあります。小泉改革による実質地方切り捨ての「小さい政府」ではなく、小さな町単位で 独自のエネルギー及び食料対策が必要ではないでしょうか。豊かでない町だからこそ、そのモデルとなり得ると考えています。
2008年4月、綾町商工会青年部では独自のホームページを立ち上げました。
私が青年部を卒業に伴い、2009年3月サーバ移転を行いました。
「照葉樹林都市」宮崎県綾町の最新情報サイト
https://eco-aya.info
また、上記の諸問題を考えるためのフォーラムも設けました。
プロジェクト綾「照葉樹林都市」宮崎県綾町からのパラダイムシフト
http://project-aya.yasoichi.jp/
ぜひ、皆様方にはこのフォーラムへの参加をお願いしたいと思います。
記事を書いてくださる方はもちろん、既に独自のブログをお持ちの方は相互リンクを、関心のある方は積極的なコメントを、広く募集したいと思います。
皆様のご参加を、心よりお待ちしております。
なお、現在ホームページは未完成の状態ではあります。私独りで家業の合間に作業しているため、まさしくスローライフな、しかしそんなことも言ってはいられないのですが(^^ゞ
未だお見苦しい点は、どうかご勘弁のほどをよろしくお願いいたします。
食料もエネルギーです。で、エネルギー一般はつい最近までは殆どが化石燃料だったので別のものだと思われていましたが・・・。人は自分でエネルギーを作り出し得ません。そこで、植物に変換してもらう生活を何万年もその発生以来していたのですけど、つい200年ほどまえに化石燃料を蒸気機関や内燃機関で使うようになってから共生型の経済社会から収奪型の社会へ変わってしまいました。それは未来の世代に借用書だけを押し付ける仕組みになります。本来はそうした世代間の問題として見なければなりません。ただ、物質循環型で太陽エネルギーのフローを人類の文明圏へ取り入れる方法がもっとも望ましいものであることは確かです。そこへいたるか程度をどう私たちが提示していくことが出来るのかどうかです。
国富に住んでいます。もし、興味をもたれたら一度ご連濁をください。
連濁は連絡の間違いです・・・。
>中川修治さん
初めまして。コメントありがとうございます。
サイト、拝見いたしました。
素晴らしい!
しかも、こんな近くにお住みなんて!
アーヘン市、滋賀県石部町の取り組みも興味あるところです。
というより、すぐにでも綾も取り組んで欲しいところですね。